玉内 昭子
たきざわのひと takizawanohito
File 011
学生服リユース さくらや盛岡店
玉内 昭子
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学生服リユース さくらや盛岡店
代表
玉内 昭子
公開日:

はじめに

《さくらや盛岡店BLOGより》
なんとか家計を抑えたい子育て世帯のために、愛着ある学生服などをバトンタッチする、幸せのサイクルをお手伝いするのがわたしたち“さくらや”です。

【店舗住所】滝沢市鵜飼笹森5-25
【電話番号】080-8258-9678

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INTERVIEW

どのような子どもの頃や学生時代を過ごされてきたのかお聞かせ下さい。

八戸で生まれ育ちました。両親が盛岡市出身のためお墓参りで盛岡に来るたびに、こっち(盛岡)の方に住みたいなぁって思っていましたね。
子ども時代は、真面目で勉強も普通にしていました。“品行方正”という言葉が合う様な。親が真面目だったし厳しかったです。だから、きちんとしないと怒られるって思っていて、何となく親の顔色をうかがっている部分もありましたね。 親は、“昭和のお父さん・お母さん“っていう言葉が当てはまるタイプです。兄弟は姉が1人います。思春期頃から、友達との交流が増えてくると、「あれ?家って何か友達のところと違う?」っていう思いが増えてきて。友達は、自由に遊びに行ったり、好きなことを当然のようにやっているのに、私はそれが出来ていないって。周りの友達と自分を比べて「うちって何か違うぞ」っていう思いから、この家から出たい!っていう気持ちが強くなっていきました。危機感でもないですけれどね(笑)
それなので、八戸の看護学校に入学した時に“看護師免許を取ったら東京に行こう”って思っていました。でもやっぱりというか、両親に大反対されまして。「就職で東京に行くなら勘当する」みたいな勢いで反対されたんです(笑) 今思うと母が厳しかったのと、心配性だったのもあったのかな。でも、私も決めていたし親と分かりあうなんて無理って思っていたから、半ば家出同然のような形で出てきました(笑)
東京への就職が無事に決まったのもあり、看護学校卒業直前には安いアパートを借りて、卒業まで1人暮らしをしました。3月に国家試験もあったけれど、1人暮らしが本当に楽しかったし、自由で(笑)大変っていうのは感じなかったですね。友達とも自由に遊べるし、夜中遅くまで遊ぶことがあっても、誰に文句を言われることもないし(笑)
看護師を目指したきっかけは、自分が高校生くらいの時から、母が体調を崩してしまい、ずっと体調が悪くて。寝ていることも増えたりして、そんな母を見ていたら「1人看護師が家に居たら、何か役に立つかな」って。でも結局、当時は私との折り合いも良くなかったから、家を出るんですけどね。

幼少期
看護学校卒業後、東京での社会人生活はいかがでしたか?

看護学校卒業後、上京して3年間東京で暮らしていました。東京の病院勤務時代の3年間は、本当に楽しかったです(笑)職場には同期がいっぱいいたから、同期の子達としょっちゅう遊びに行ったりもしたし、東京だと至る所にサークル活動的な、グループ交流を楽しめる場とかが沢山あって。当時、自分は手術場の担当だったけれど、そこの先輩が「今度友達と遊びに行くから一緒に来る?」って誘ってくれたりして、そこで職種も違う色んな人にも会えて。その頃に、先輩が「バイクの免許を取った」と聞き“あ、じゃぁ私もバイクの免許取りたいな”ってなって、自分も中型の免許を取りました(笑)学生時代のサークル活動と違って、社会人としてきちんと働きながら、休みの日にガッと遊ぶっていう、そういうメリハリがあったのも良かったんだと思います。夢の様な懐かしい思い出です。
3年東京で働いた後は、八戸には戻らず盛岡で再就職をして、盛岡の病院に勤めました。病院の先輩看護師さんと2人で、夜勤の休憩時間にご飯を食べながら雑談をしている時に、「誰かイイ人いないですか?」みたいな話の流れから(笑)その先輩の紹介で、主人と出会いました。その先輩の旦那さんが、山登りが好きな方で、その旦那さんも入会している山登りの会のメンバーに主人も居て、「歳も近いし背も高くて優しくてすごく良い人だから」って、紹介してもらいました。その先輩と夜勤でその話をしていなかったら、主人とは出会えてなかったですね(笑)初めて主人とあったのが、今はなくなった青山町のダイエーのレストランでした。パッと見た時にビビビッときて“あ、この人と結婚する”っていう感覚でした。その後結婚し、2人の子どもにも恵まれました。娘は今は盛岡市内で働いています。息子は大学生です。県外へ進学したのでお金がかかって大変です(笑)

看護師代
起業にいたった経緯を教えてください。

きっかけはテレビ番組です。
「がっちりマンデー」という番組を主人がいつも見ているんですが、2015年放送の番組でこの”さくらや”が取り上げられていたんです。たまたま私もその日、その番組を初めて見て、さくらやというお店が貧困家庭とかひとり親家庭の支援になる、制服をリユースして販売しているという内容を知って。私はずっと看護師の仕事でやってきたんだけど、“こんなお店があるのか”と衝撃を受け、自分もやってみたいな!って思ったんですよね。
ただその時は、子ども達も中学生・高校生くらいで、まだまだお金もかかる時期だしなぁと。そういう事を考えると今の仕事をすぐに辞めて始められる感じでもないし、でもやりたいなというのを、開業までの5年間ずっと思いながら繰り返してました。その内に子ども達も段々手が離れていき、主人や家族にも「こういう仕事があってやってみたいんだけど」って話はして。家族は皆「やりたいんだったらやってみればいいじゃない」って背中を押してくれたのもあって、「よし!やってみるか!!」と、決心がついて、それからの行動は早かったと思います(笑)
HPから問い合わせをして、説明会に参加するために東京へ行きました。ちょうどその説明会の日時が、娘の専門学校の入試と同じ日だったので、一緒に行けたのもなんかいいタイミングだったなぁと。
説明会は、創業者の馬場さんご本人が、さくらやをやりたいと考えている人に直接会って、面談のような形で話をされるんですね。馬場さん自身が「この人は向いているな」「この人は合ってないな」っていうのを審査するみたいですね。私は有難い事にお店をやる方向の話になったので、契約を交わすことができました。まだこの時は看護師のお仕事は続けていたので、準備は同時進行で大変でした。

家族
5年間ずっと温めてきた念願のお店をオープンし、お客さまの反応はいかがでしたか?

2020年11月、盛岡市月が丘にオープンして2年、滝沢に移転してもうすぐ1年、今年で丸3年になります。花巻店が盛岡オープンの1年前に開業しているので、盛岡では初めてになります。
お客様からの反応は「すごく助かる」という声が圧倒的に多いです。「こういうお店があれば良いと思ってた」という声もいただきます。また、「この制服を使ってください」って持ってきてくれる方も多いです。

今後御社が力を入れていきたいことや目指している目標などはありますか?

やっぱり、「こういうお店があって助かる」という声が多いので、その声に応えたいです。入学準備で初めて「さくらや」というお店を知る方もいらっしゃるみたいで、もっと早く知りたかったって言われることも多いんです。
制服の需要は、1月~3月がピークです。新品で一式揃えるとなると、中学校でも5~6万円、高校に至っては10万円近くかかる物じゃないですか。だから、入学準備が始まる夏の6月~7月頃に、知ってもらえたらなっていう思いがあります。早いお母さんだと4月くらいに「来年入学なんです」って問い合わせもあるんですよね。中学校の制服に関しては、学区が決まっているので、よっぽどの事が無ければ準備が出来ますから。なので、今から宣伝をして知ってもらえれば、保護者の負担もだいぶ軽減できるって思います。
1年目より2年目、3年目とお客さんの数も増えてきているので、認知度も上がってきているなというのも感じています。昨年は、テレビ・ラジオ・新聞にも取り上げてもらいました。ただ、テレビでも2~3分の枠の中でのものですし、新聞を目にする人は減っているのが現状なので、やはり知らない人が多い(認知度が低い)というのは、まだまだ課題としてありますね。そのためにも、行政などへの働き掛けやPTA会長さんなどにも、知っていただけるといいのかなぁと思います。HPやInstagramをご覧になって来店される方もおりますが、お母さん同士の口コミがやっぱり強いですね。ひとり親家庭などの皆さんって本当に忙しいから、親同士のコミュニティにも中々出られなかったりもあるみたいですし、新聞やテレビなんて見ている暇が無いっておっしゃるんですよ。そういった、本当に必要としている人にこそ知ってもらいたいと思います。価格としては、高校の制服一式揃えるとなると(夏服冬服全て)約8~10万円ぐらいになりますが、うちで揃えたら3万円位です。三分の一程度で済みますね。だからやはりお母さん方に知ってもらいたいんです。
それから今後は、制服の売買だけではなくて、保護者の“困っている”に耳を傾けていきたいです。予約制にしているのは、ここの店舗の駐車場事情も関係していますが、1番はやはりゆっくりと親御さんに見てもらいたいのもあるし、何か不安に思っていたり困っていることがあったら、周りを気にせずに気兼ねなく話してもらえたら・・・という思いがあります。毎日忙しいお母さんたちが"ほっ"として、「子育てで困ったら、そうだ!さくらやに行こう!」と思える、そんなお母さんたちを、"明るく、優しく、暖かく"迎える、そんなお店を目指しています。

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